久米島紬大使として活動する和裁師山本宗司さん

2025年10月10日

2025年11月22日(土)から24日(月)まで、日本橋COREDO室町3内の「橋楽亭」にて「久米島紬展」が開催されます。

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私の和裁の師匠であり、PR活動でサポートをさせていただいている、和裁師 山本宗司(やまもとしゅうじ)さんは、久米島紬大使ということもあり、久米島紬の普及に尽力されています。

沖縄の着物は通好みと言われておりますが、山本さんも沖縄の着物は大変お好きで、久米島紬だけでなく、芭蕉布や宮古上布の素晴らしいコレクションをお持ちです。

今回は、久米島紬大使として活躍する中で集めて来られた50点以上の久米島紬をご覧いただくことができます。会場では、その歴史と他の地域との染色技術の違いを解説ツアーで学んでいただくことができます。

 

本催事の意図

久米島紬の「本物の価値」の普及と、文化の継承支援を意図しています。生産量が限られる貴重な久米島紬を、久米島紬大使を務めるやまもと工藝のネットワークを活かして特別に入手し、お仕立て代込みのお値打ち価格で提供します。これにより、価格面で着物に踏み出せなかった本物志向の新たな顧客層に、国の重要無形文化財の魅力を届ける機会を創出します。

 

目的

1. 久米島紬の魅力を深く伝える: 組合の織り手(制作者)が滞在し、染色ツアー(1日2〜3回実施)を通じて、天然の植物染料や泥染めといった手仕事のプロセスを直接伝えることで、単なる販売会ではない文化的な体験を提供します。

2. 伝統工芸の「お値打ち品」に焦点を当てる: 流通ルートに乗らない逸品に光を当て、着物愛好家やサステナブルな消費に関心を持つ層にアピールし、未来のファンを育成します。

 

ターゲット

富裕層・本物志向の消費者層(『婦人画報』『美しいキモノ』『サライ』読者層)、および手仕事の価値、自然素材、サステナブルなものづくりに関心を持つ層です。特に、価値ある一品を長く愛用したいと考える、目の肥えた方を想定しています。『美しいキモノ』の「着物にまつわるお悩みを、プロが解決します!プロが答える着物お悩み相談室」という連載で回答者の一人としても選ばれています。

 

見どころ

① 久米島紬大使・山本宗司が厳選した「流通しないお値打ち品」の提供です。作家が丹精込めて作り上げたものの、僅かな理由で流通規格に乗らない反物を、お仕立て代込みの特別価格でご提供します。これらは、仕立ててしまえば全く分からないレベルの逸品であり、大使の信頼と生産者との協力関係があるからこそ実現した、お客様への特別なご提案です。

② 組合の織り手による「滞在・染色ツアー」と「絣くくり」実演です。会期中、久米島から制作者が来場し、1日3回、久米島紬の美しい色彩がどのように生まれるかを解説する染色ツアーを実施します。お客様は、重要無形文化財である紬が生まれる背景を直接知ることができ、作品への愛着が深まります。また、随時行う絣くくりの実演は、緻密な手仕事の真髄を間近で見られる貴重な機会です。

 

アイディアの源泉

山本さんは、久米島紬大使として活動する中で、制作者たちが手間暇かけて作ったにも関わらず、僅かな理由で流通ルートに乗らない反物が生まれてしまう現状を知りました。ものを生産する以上、そのようなものは少なからず出てしまいますが、これらの反物は大量生産品とは違い、作家の想いと技術は変わらず宿っており、「この特別な反物を、本物の価値がわかる方々に届け、制作者の努力に報いる道はないか」と考えたのが、今回の特別提供アイデアの着想点です。

 

実現に向けて起こった困難

苦労した点としては、織り手の方々の価値を守りつつ、お客様に真に喜んでいただける品質であることを両立させるため、組合と密に連携し、反物を厳正にチェックしました。また、制作者ご本人に久米島から会場までお越しいただく調整も大きな課題でした。制作活動を一時中断していただくことになりますが、お客様との直接交流が何よりも励みになるという熱意で、ご協力いただきました。

 

課題への解決

これらの課題をクリアするためには、和裁師としての保証だと思いました。私自身が仕立てのプロの視点から反物をチェックし、そのお値打ちの理由がお仕立てによって必ず解消されることを保証することで、お客様に安心してご購入いただけるようにしました。また、制作者ご本人が会場にいることで、作品の信頼性と背景にあるストーリーを強く伝え、価格以上の価値を感じていただけるよう工夫しました。

 

最後に…

今回の久米島紬展は、単に商品を購入する場ではなく、国の重要無形文化財に指定された「久米島紬」の文化そのものを体感していただくための特別な企画です。

久米島紬は、全て久米島の自然から採れた植物染料で染められ、気の遠くなるような手間をかけて織り上げられています。それは、持続可能で、自然に寄り添った消費を求める現代の価値観に深く響くはずです。

会場では、重要無形文化財の織り手と直接言葉を交わし、染色の実演を見学できます。ぜひこの機会に、本物の久米島紬が持つ唯一無二の魅力に触れ、未来へと繋ぐ日本の手仕事の心を感じてみてください。

また、山本宗司さんは漫画家・東村アキコ先生の『銀太郎さんお頼み申す』の和裁師末本さんのモデルでもあります。作中の着物への深い描写を、この会場でぜひ現実のものとしてお確かめください。

 


「久米島紬展」

期   間: 2025年11月22日(土)~24日(月)

時   間: 各日午前10時~午後6時(初日13時開場、最終日18時閉場)

場   所: 橋楽亭(COREDO室町3内 3F)
       東京都中央区日本橋室町 1-5-5

主   催: やまもと工藝

協   賛: 久米島紬事業協同組合

内   容: (いずれも予約不要)

  • 50点以上の久米島紬の展示・販売(お仕立て相談・予約も承ります)
  • 久米島紬事業協同組合の織り手よる絣くくりの実演(随時)
  • 解説ツアー(1日3回、12:00、15:00、17:00)
  • 久米島大使「かたぶい」によるハープ演奏会(11/23(日)14:00)